06構造(文章題編)

02.コンクリート

まずは,オンライン講義の様子をご覧ください(Youtube動画 約6分)

コンクリートに関しては,1「強度」,2「ヤング係数」,3「線膨張」,4「コンクリートの性質」,5「混和剤」,6「特殊コンクリート」,7「品質管理」の7項目からなっていることがわかると思います.
 
以下に重要ポイントを羅列します.
 
まずは,コンクリートを構成しているセメントや骨材についての種類や性質を理解しましょう.続いて,コンクリート自体の性質を理解しましょう.
 
セメントに水と空気とが混ざったものがセメントペースト,セメントペーストに細骨材(砂)が混ざったものがモルタル,モルタルに粗骨材(砂利)が混ざったものがコンクリートですね.
合格ロケットアプリの施工科目のコンクリート工事の解説集も参考になります.
 
各種セメントの特性や主な用途に関しては,まとめておくようにしてください.
セメントは,大きく分けて,ポルトランドセメント混合セメントに分類できます.ポルトランドセメントとして普通ポルトランドセメント早強ポルトランドセメント中庸熱ポルトランドセメントが,混合セメントとして高炉セメントフライアッシュセメントシリカセメントとがあるというような分類で構いません.それぞれのセメントの主な用途に関してまとめておきましょう.
混合セメントとは,普通ポルトランドセメントに各種混合材を混ぜたものを言います.
また,セメントの性質として,セメント粒子が細かい程強度が早く出て,乾燥収縮が大きくなり,風化が早くなることに注意しましょう.
 
骨材は,表乾状態で使用するようにします.
 
通常,コンクリートの圧縮強さとは材齢28日(4週間)の強度を指します.水セメント比と強度の関係に関しても整理しておきましょう.
 
単位水量を少なくするほど,単位セメント量を少なくするほど,セメントの粉末度が低い(粒子が粗い)ほど,乾燥収縮は減少します.
 
線膨張係数は,100℃程度まではコンクリートと鉄筋の線膨張係数とがほぼ同じであるため,鉄筋コンクリートとしては,大変有利です.
 
熱伝導率は1.3~1.4W/m・kで木材などに比べて大きいです.
 
コンクリートの強度試験で用いる供試体は,細長い形状ほど強度は小さくなります(寸法効果の問題と言います).また,圧縮強度は,ゆっくりと荷重をかけていくより速い速度で荷重をかけた方が高い強度が出ることが分かっています(載荷速度の問題と言います).
 
コンクリートのヤング係数に関しては,問題コード01283他の解説に掲載してあるように,単位容積重量γと設計基準強度Fcは共に分子にあるため,軽量コンクリートより普通コンクリートの方がヤング係数は大きいことがわかります.また,最大圧縮時と原点を結んだ線ではないことに注意しましょう.
 
水セメント比の小さいコンクリート,AE剤などの混和剤を用いたコンクリートや早強ポルトランドセメントの中性化の速度は遅いのに対し,高炉スラグやフライアッシュ等の混和材を用いたコンクリートの中性化の速度は速いと言えます.また,屋外よりも屋内の方が中性化率は大きいと言えます.整理して覚えましょう.
 
軽量コンクリート(骨材の違い)には2種類あり,1種の方が重いことは覚えておきましょう.
 
アルカリ骨材反応についてもまとめておきましょう.
 
普通コンクリートのスランプの数値(21cm以下)水セメント比の最大値(65%)単位水量の最大値(185kg/m3)などの数値は,施工科目でも出題されていますので,整理して覚えてしまいましょう.
 
問題コード30282のAE減水剤に関する注意事項はかなり専門的です.解説内容をさらっと読む程度にしましょう.

混和剤(AE減水剤など)により,ワーカビリティー(施工のしやすさ)が良くなり,単位水量を減少させることができ,コンクリートの凍結融解に対する抵抗性を増大し耐久性が向上し,中性化に対する抵抗性を増大させることができます.一方で,空気量の増加により若干強度が低下します.
 
コンクリートの耐久性を向上させるため,単位水量を小さくすると施工性が悪くなります.そのため,流動化剤を加え流動化コンクリートとすることで施工性を向上させる場合があります.高流動コンクリートとは異なるので注意しましょう.
 
断面寸法の大きな部材に打ち込まれたコンクリートは,セメントの水和熱が蓄積されコンクリート内部の温度が上昇します.このため,コンクリート部材の表面と内部に温度差が生じ,ひび割れが発生することがあります.この問題をどのように制御するのかがマスコンクリートの施工管理の重要ポイントとなります.一般には,コンクリートの打設方法を工夫したり,高炉セメントB種などの混合セメントB種や中庸熱ポルトランドセメントなどを使用したりする方法があります.
 
最近増えてきた超高層建物などに使用される高強度コンクリートは,火災時において急激な加熱に伴う水分の膨張により爆裂を生じる場合があります.覚えておきましょう.


■学習のポイント

まずは上記,学習ポイントの7項目について知識をまとめて整理して覚えましょう.
そうすることで,合格ロケットに収録されている過去問20年分の「知識」だけで十分,出題問題に対応ができるようになりますよ!

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