01環境・設備(環境編)

06.日照・日射

昼光は直接日光(直接光)と天空光の大きく2つに分けられます.これを分かりやすく説明すると,「直接光」というものは,太陽を直視した際の明るさをいい,「天空光」とは,太陽を直視しないように空を見上げた際の明るさだと考えてください.「天空光」は,太陽光が拡散・乱反射されて地上に達する光のことをいいます.また,「全天空照度」とは,周囲に障害物のない屋外における水平面照度をいいます.全天空照度の場合,直射日光の影響を無視し,天空光のみによる照度で考えます.快晴の日は,直接光が多く,天空光は少なくなり,薄曇りの日は,直接光が少なく,天空光は多くなる,と考えます.


ある時刻における「全天空照度」が「10」の時,室内におけるある点の照度を「1」と仮定しましょう.その場合,昼光率=(1/10)×100%=10%となります.これは,全天空照度の10%が室内のある点の照度となっていることを表します.そのため,時刻が変化して,「全天空照度」が「5」になった場合には,5×10%=0.5が室内のある点における照度となります.この場合,時刻によって全天空照度が変化したとしても昼光率は一定です.次に,窓がフロートガラスから,すりガラス(くもりガラス)に変わったときの場合を考えましょう.同じ全天空照度であったとしても,フロートガラスであった場合と,すりガラスであった場合とでは,「同じ時刻の全天空照度であっても,室内のある点における照度」は,すりガラスの場合の方が採光量が少なくなる(変化する)ため,昼光率は一定とはなりません.例えば,フロートガラスの場合の昼光率が10%だったとしましょう.すりガラスの場合は,天空光が室内に入り込む割合がフロートガラスの場合に比べて,減少するわけですから当然,昼光率も10%を下回るわけです.すなわち,「昼光率は,一定にはならない」と考えます.窓の前に樹木がたった場合も,室内に入り込む天空光の量は減少します.そのため,同じ全天空照度であっても,室内のある点における照度は減少します.この場合も,昼光率は変化すると考えるわけです.「昼光率は一定なの?一定じゃないの?」それは前提の違いなので,明確にしておきましょう.

そして,要注意なのは,こうした「現象」のイメージで終わるのではなく,昼光率が「設計」で活用されるという事.CASBEEの評価項目にも使われますが,つまりは,「建物を建てる前に検討するためのもの」と言う事を知っておいてください.


■学習のポイント
問題コード23063 に「南向き鉛直壁面の1日の可照時間」に関する季節ごとの大小比較が出題されました. 日照・日射を理解する上で非常に重要な内容です.例年,講義でも,季節ごとの太陽の位置や影の移動の仕方について立体的にイメージできるよう詳しく解説しています.

 解説中に,季節を通じた太陽の軌道を示す図があります.この図は,きちんと頭に叩き込んでおきましょう.南中時の太陽高度は,それぞれ「30°,54°,78°」となりますが,これは丸暗記です(ここは深堀りするところじゃない!).こういう時は,語呂合わせにして覚えることをおススメします.ここで,オリジナルの語呂の作り方についてレクチャーしておきます.例えば,「三十路(30歳)に,腰(54)で悩(78)む」という語呂とするよりも,「コッシー(54),悩(78)んで,散(30)歩する.」という語呂の方が記憶に定着し易くなります(ちなみに,コッシーとは,越田(コシダ)さんという私の友達です).記憶に残りやすくなる理由は,固有名詞が入っているからです.「南中時の太陽高度の角度ってどうだったけかな?」と考えた際に,コッシーさんの顔を浮かべる事が出来れば,「コッシーナヤンデサンポスル.」という語呂を思い出すことができます.その際に,コッシーさんが,悩んでいる表情で,歩いているような光景が頭の中に浮かべば効果倍増です.語呂というものは,一枚の「絵(光景)」として,記憶するようにしましょう.語呂を「文章」で記憶しようとしても,語呂自体を忘れてしまうものです.これが,語呂作りのコツです.

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