02環境・設備(設備編)

04.電気設備

まずは,電気に関するイメージをおさらいしておきましょう.発電所から送り出される電流は,電線を通って,建物内へと導かれます.ただし,電線を流れるときの電圧は,非常に大きいため(大きくしておかなければ各地域へと送り出せない),建物内に引き込む際には,電信柱などに設けられている変圧器により低圧して引き込みます(100V,または,200Vといった具合に,実際に建物内で使用できる電圧を落とした状態).このイメージは,住宅などの小規模建築の場合契約電力50kw未満のイメージです.これを「低圧引込」といいます.では,大規模建築の場合(契約電力50kw以上)は,どのように電気は,建物内に引き込まれるのでしょうか?大規模建築の場合は,高圧のまま敷地内に引き込むため各建物ごとに受変電設備」を設け,そこで,低圧(100V,200V)に電圧を引き下げて使用します.これを「高圧引込」といいます.つまり,「低圧引込」の場合とは異なり,契約電力が50kw以上の「高圧引込」の場合は,高圧のまま敷地内へと引き込み,受変電設備を介して低圧電気(一般電化製品を使用する際に必要となる100V,200Vといった電圧の電気)を作るわけです.そのため,契約電力が50kw以上となる場合には,原則として,受変電設備が必要となります.受変電設備とは,受電設備と変電設備の総称であり,建物内に受変電室を設ける場合と,屋外にキュービクルを設ける場合の2種類があります.

次に,問題コード27171を見て下さい.その解説の中で単相3線式について説明しています.先の説明で「低圧」という言葉が出てきましたが,解説にある図のように電灯や冷蔵庫などの一般電化製品は,100Vで,IHクッキングヒーターなどは,200Vで使用します(オール電化住宅では必須アイテムですね).このように,実際の家電は,100V,200Vといったレベルの電圧で使用するように作られているため,その際の電圧を「低圧」といいます.単相3線式については,解説にある図のようなイメージで考えて下さい.3本の線があり,一番上の線と一番下の線を繋げば,200Vの電気を取り出すことができ,一番上の線と,真ん中の線とを繋げば100Vの電気を取り出せすことができるといったイメージです.三相3線式の場合も先ほど同様に,3本の線がありますが,電位差はそれぞれ200Vであるため,100Vの冷蔵庫を使用する場合には,小型トランス(変圧器)により,100Vに減圧させて使用せねばなりません.尚,「単相」と「三相」の違いについては,「単相」は,住宅・事務所などで使用される一般用,「三相」は,モーターなどの動力がある建物(工場など)において,動力用として使用されるものと覚えておいて下さい.


■ 学習のポイント

この「電気設備」の項目では,稀に難易度の高い新問題が出題される事がありますが,基本的には,過去問からの出題が中心であるため,電気設備に関する実務的知識がない限り,全くお手上げという問題は捨ててしまって構いません.例えば,問題コード02161「電圧降下の比較」の図問題.解説はあえて簡単な内容にしていますが,その背景は,果てしなく深いものとなります.こうした問題を事前にカバーするような新問対策を行うということは,更に広範囲に,専門性の高い学習を強いられ膨大な時間を費やすこととなります.「無闇な新問対策の典型」でありコスパが悪すぎます.ちなみに,この問題の正答率は「12%」です(教育的ウラ指導調べ).これは,令和2年度本試験において,最低の正答率でした.失点しても何ら影響はありません.こんなところで差を付ける必要はないのです.学習の時点では,過去問の知識に対して○×の判断ができるレベルを目指しましょう.解説部分の細かい話は後回しにして,全体の難易度や出題傾向をザックリと把握する意識で,どんどん進めていきましょう.再三に渡って注意しておりますが,ある部分に偏って知識を深めようとすると,それだけで疲れてしまい飽きてしまうのです(ダイエットに失敗したりするのと一緒で三日坊主になるパターンです).試験勉強で最もマズイのは,7月の時点で1度も手を付けていない項目が残っていたり,一度は完璧にしたつもりになって直前まで放置し,その結果基本の内容すら忘れてしまっているという事態です.一度に身につける知識は浅くて構いません.2巡目,3巡目と段階的に,知識を厚くしていくイメージをもってください
 
電気設備の「照明」について,補足説明をしておきましょう.問題コード24152に,室内平均照度の計算方法に関する問題があります.27173では「照明率」,28163では「保守率」というふうに,元の公式の構成要素を詳細に掘り下げています.これらの問題を単独でとらえるのではなく,一連の繋がりを意識してください.
コード19221(図問題)では,必要な照明器具の台数を求める問題が出題されています.水平面照度を求める公式を展開するだけ(ただしランプ個数に注意)で解ける単純な問題ですが,コード25161は水平面照度を求める問題とは,視点を変えて出題されています.このように,同じ題材で異なる形で,繰り返し出題される問題は,確実に得点できるようにしていきましょう.2巡目以降は,それぞれの問題を関連付けて,総合的に理解していく意識を持つことがポイントです.
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