04法規

12. 防火地域

最初にこの項目で学習する内容の概略を簡単にご説明しておきます.
まずは,「防火地域」と「準防火地域」という2つの地域が存在することから理解して下さい.これらは,都市計画の観点から定められています.
「法61条」は「防火地域及び準防火地域内の建築物」に関する規定であり,ここから「政令で定める技術的基準」の「令136条の2」に飛びます。
 
以前は「防火地域にはこんな建物を,準防火地域にはこんな建物を」という表記でしたが,現行の規定は,各号で「防火地域・準防火地域にあるこの規模の建物は耐火建築物等,準耐火建築物等」というような並びになっています.
例えば,「防火地域」内では,「1.階数が3以上」「2.延べ面積が100㎡を超える」のうちのいずれかに該当する場合は,耐火義務(=耐火建築物等としなければならない)が発生します(第一号).それ以外の場合でも,「準耐火義務」が発生します(第二号).つまり,「防火地域」の場合,「第一号か第二号のいずれか」に該当します.一方,「準防火地域」内の建物は,「第一号から第四号」に振り分けられます.
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第一号:防火地域・準防火地域内の耐火建築物等
第二号:防火地域・準防火地域内の準耐火建築物等
第三号:準防火地域内の,外壁防火の木造(外壁,軒裏・延焼ラインの開口部)
第四号:準防火地域内の,その他の非木造(延焼ラインの開口部)
(第五号:2mを超える門・塀)
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まずは大枠で捉えてください.

第一号」は,「防火地域内の建築物(小規模を除く)」や「準防火地域内の大規模な建築物」が対象です.
これらの条件に該当すると「次のイ又はロのいずれかに掲げる基準」に適合しなければなりません.
「イ」は,平たく言うと「耐火建築物」
「ロ」は,イと同等以上の「通称:延焼防止建築物」です.
 
細かくは「告示194号第2」に記載されていますが,ある程度の規模の建物については,防火上,外皮(外壁・屋根)を強化する事で,耐火建築物でなくても構わない(同等の扱いとなる),というものです.ここで注意したいのは,「どんな建物も,延焼防止建築物に出来るわけではない」という事です.先に述べたように「ある程度の規模の建物」が条件になりますので,条件を満たせない規模の建物は「イ又はロ」のうち「ロ」は選べません.つまり,「イ」の「耐火建築物にせざるを得ない」という事になります.この認識は間違えないようにしてください.

第二号」も構成は同じです.「防火地域内の小規模建築物」や,「準防火地域内の所定の規模の建築物」が対象です.一号同様に「イ又はロ」とあり,
「イ」は,平たく言うと「準耐火建築物」
「ロ」は,イと同等以上の「通称:準延焼防止建築物」です.
 
ここでも注意点があります.例えば,一般的な「準防火地域にある,木造の地上3階建ての戸建て住宅(150㎡程度)」は,どんな規制が掛かるかと言うと,「第二号」にある「準防火地域内で,地階を除く階数が3で延べ面積が1,500㎡以下のもの」に該当します.この時に「イ」の準耐火建築物にしなければならないかというと,「告示194号第4第一号」の基準に適合すれば,「ロ」の「準延焼防止建築物」とする事ができます.つまり「準耐火建築物」にしなくても構いません.この規定は,法改正前には「政令」で定められており「通称:政令基準建築物」と言われていたもので,昔も今も,この規模の建物ではごく一般的な規定と言えます.ところが条文の構成が変わり,詳細の仕様が,政令から告示へ移動した事から,複雑な仕組みに見えてしまいます.

第三号」は,「準防火地域内にある小規模の木造」が対象です.「第四号」は,その「非木造」.
ここでの注意点は,外壁開口部設備の性能に「加熱開始後20分間当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る)に火炎を出さないもの」が要求されます.耐火建築物等の外壁開口部設備に要求される「遮炎性能(両面20分)」に対して,ここでは「通称:準遮炎性能(片面20分)」となります.あえて「通称」を付けたのは,以前は政令で定められていた用語だったものが,現行法では無くなったからです.

■学習のポイント
 「法61条」からその政令基準へ.「令136条の2」では,①.「防火地域・準防火地域内の耐火建築物」,②.「防火地域・準防火地域内の準耐火建築物」,③.「準防火地域内の小規模の木造」,④.「準防火地域内の,小規模の非木造」に分けられるという条文の構成を理解しましょう.告示の話はいったん置いておき,「法と令」の関係性と構成を理解する事から始めてください.
問題文の設定が「どんな状況か,どの分類か」をイメージした上で,法令集で確かめるという手順です.「条文と一言一句照らし合わせる」という作業をしてしまうと,何をどう見て良いのか分からなくなります.ましてや「本試験中に条文読解は,御法度」です.条文の構成だけは,頭に入れておくようセットアップしておきましょう.
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