04法規

14. 内装制限

まずは,オンライン講義の様子をご覧ください(Youtube動画 約6分)

「内装制限」とは,壁や天井の仕上げを燃えにくい材料で計画するものです.例えば建物内で火災が発生した際に,来館者が安全に建物の外部へと避難できるように計画しなければなりません.そのためには,燃えやすい仕上げを使用して場合,避難を完了させることが出来ないかもしれません.この「在籍者の避難を完了させる.」というのは,次の項目で学習する「避難関係規定」の前提とも言える話ですので覚えておいて下さい.さて,内装制限をマスターするには,次の図のようなイメージを頭に浮かべるようにする理解しやすくなります.
 
 
上の図のように,「居室部分」と「通路・廊下部分」とに分けて考えるようにして下さい.次に,内装制限は,以下の6種類あると考えて下さい.
 
1.特建内装 所定の特殊建築物に適用される内装制限
2.車庫内装 車庫の用途に供する特建に適用される内装制限
3.地下内装 所定の特建を地階に設ける場合の内装制限
4.規模内装 所定の規模の建築物に適用される内装制限
5.無窓内装 窓の無い居室に適用される内装制限
6.火器内装 調理室などを設ける場合に適用される内装制限
 
チェックの仕方は,一般的には,令128条の4で内装制限が適用されるかどうかの条件を確認し,令128条の5においてその具体的な内装の仕様を確認するという要領ですが,ここで大事なのは,その条文の構成です.上記の6つの内装は次のように対応が取れています(お手元の法令集で条文の繋がりを確認してください).
 
1.令128条の4第1項一号(特建条件) → 令128条の5第1項(特建内装
2.令128条の4第1項二号(車庫条件) → 令128条の5第2項(車庫内装
3.令128条の4第1項三号(地下条件) → 令128条の5第3項(地下内装
4.令128条の4第2項,3項(規模条件) → 令128条の5第4項(規模内装) 
5.令128条の3の2(無窓条件)    → 令128条の5第5項(無窓内装
6.令128条の4第4項(火器条件)   → 令128条の5第6項(火器内装
 
令128条の5第1項と第4項(上記分類の1.と4.)については,上記挿絵のように居室と通路・廊下で扱いが異なるということで,1.(特建内装)も4.(規模内装)も居室については,原則「難燃材料」,通路・廊下については「準不燃材料」を原則とします.本来ならば,4項の仕上げは「第1項に掲げる仕上げとする」で良いはずですが,1.(特建内装)の居室で1項一号イのかっこ書きの場合を例外とするため,このような条文の書き方になっています.法令では,既に1度書かれたものについては,後で同じ事を書かない(省略して書く)というルールだからです.
 
1項一号イ ←(対応が取れている)→ 4項一号
1項一号ロ ←(対応が取れている)→ 4項二号
1項二号イ ←(対応が取れている)→ 4項<第1項二号イに掲げる仕様>
1項二号ロ ←(対応が取れている)→ 4項<第1項二号ロに掲げる仕様>

■学習のポイント

そもそも,上記の話は「法35条の2」と繋がっている事を確認しましょう.令128条の4各項の条文の終わりが「・・・以外のものとする」となっているのは,法35条の2で「政令で定めるものを除く」となっているからです(二重否定=肯定と考えるとわかりやすいでしょう).このように条文の繋がりを意識するのは,全体を把握するのにとても効果的です.
 
法規科目は暗記科目です.数字や文章ではなく「構成」の暗記です.
  
この「内装制限」は,「法令の構成」を意識付けするのに,非常に適しています.「この問題文は,全体の中のこの位置づけ」とか「出題者は,これとこれの違いを聞いている」という事が読み取りやすくなってきます.ある程度,その関連性が見えてくると,例えば,法令集をマーカーで丁寧に色分け等していなくても,その関連性を浮かび上がらせて(又は自ずと浮かび上がって)見えてくるようになります.そして,構成(フレーム)が頭の中で出来てくると,自ずと数値や用語もインプットしやすい状態になってきます.それもこれも,「まずは構成を意識する事から」です.
 
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