04法規

18. 容積率・建蔽率

まずは,オンライン講義の様子をご覧ください(Youtube動画 約4分)

「容積率」の図問題の基本形は,「法定容積率」と「道路容積率」の2つを計算して,そのうち厳しい方の値をその敷地を最大容積率として採用するというものです.注意事項としては,敷地に接道する道路の最大幅員が12m以上である場合には,道路容積率を考えなくてよい=法定容積率が,そのままその敷地の最大容積率となるという点です.また,道路容積率については,「住居系」の場合は,4/10,「住居系以外の場合」は,6/10に道路幅員を乗じます.
 
次に,敷地が2つの用途地域にまたがる場合の考え方をマスターして下さい.異なる用途地域ごとに別々に計算します.ここでのポイントは,最大道路幅員は,敷地全体で考えてよい=対象となる用途地域の部分が接していなくても,敷地として接していれば,その道路幅員を最大道路幅員として採用できるということです.
 
容積率の図問題では,「特定道路緩和」の理解が欠かせません(これが本丸です).「特定道路緩和」における注意事項は,この緩和措置を適用できるための条件にあります.(本試験においても,一見,「特定道路緩和」を適用できそうな形で出題しておきながら,実は,この適用条件に該当しないため,「特定道路緩和」を適用できないといった問題が,しばしば出題されています.この「特定道路緩和」の考え方をマスターした受験生は,問題を見た段階でここぞとばかりに計算し始めてしまうのです.すると,肩透かしを喰らってしまう).「特定道路緩和」の適用条件は,次のようになります.
 
1.「特定道路」(幅員15m以上)であること.
2.「接続する道路幅員」が「6m以上12m未満」であること.
3.「特定道路から敷地までの距離」が「70m以内」であること.
 
計算式(容積率の制限について前面道路の幅員に加算する数値)は,「令135条の18」にあります.
Wa=(12-Wr)(70-L)/70
ここは,法令集を引いて確認できるようインデックスを追加しておくと良いでしょう.大事なのは,試験中に「サッと確認して,すぐ使えるように」準備しておくこと.いざその計算式を見た時に「えーと,この数字はココに当て嵌めて・・・」というような時間はありませんので.
最後に,法42条の「2項道路」の扱いです.これは,消防車や救急車が敷地内に進入することを想定して,道路幅は,最低でも4m以上にしなさい.4mを確保できない場合は,敷地を削って,4mを確保しなさいというものです.

*この「インプットのコツ」は,試験直前に再度チェックするようにして下さい.次の項目である高さ制限も同様です.

次に「建蔽率」です.「建蔽率」には,法定建蔽率しか存在しません.そのため,「法定建蔽率=最大建蔽率」となります.図問題の場合,法定建蔽率は,問題文に記載がありますが,「商業地域」は「8/10」しかありませんので,数値の記載はありません.

ここでは条文の構成を確認しておきましょう.
「1項」各号の建蔽率の中から地域の実情に応じて定められます.
「2項」は敷地が2地域にわたる場合.2用途の場合は,容積率計算同様に,それぞれの地域ごとに最大建蔽率を求めた上で,建築面積の最大値を導き,それらの値を加算して,敷地全体の建築面積の最大値を求めます.
 
「3項(緩和)」と「6項(適用除外)」を並列で見ます.
「3項」は「8/10以外」の地域が対象
 第一号「防耐火緩和」,第二号「角地緩和」それぞれ「+1/10」,両方で「+2/10」の緩和となります.
 ここでの「防耐火緩和」は,「防火地域」においては耐火建築物等に,
 「準防火地域」においては「耐火建築物等」又は「準防火建築物等」にする事で緩和を受けられます.
 「6項」は「8/10」の地域が対象
 ここでの「防耐火緩和」は,「防火地域」内において耐火建築物にする事で適用除外(=10/10)」となります.
 「準防火地域」内や「準耐火建築物」では適用除外になりません(3項との扱いの違い).
 
「7項」は「防火地域の内外にわたる場合」敷地内の建築物の全部が耐火建築物等であるとき,全て防火地域内にあるものとみなして、「3項・6項」の「防耐火緩和」を適用できます(8項も同様の考え方です).
 
上記の捉え方は,図問題以外でも同じです.条文の構成を俯瞰してから部分を見るよう意識してみてください.そのうち,問題文を読んだ時点で,条文の構成の中のどの部分の話なのか(その組み合わせ)を捉えられるようになってきます

■学習のポイント

アプリの「解説集」ある「本試験図問題出題傾向一覧(容積・建蔽率編)」をご覧ください.出題傾向が掲載されています.出題方式はパターンとしての対策で十分です.
イレギュラーなパターンとして「問題コード20151」は,用途を「共同住宅」と前提として,「共用通路緩和」や,「駐車場1/5緩和」を取り入れる問題となっていますが,その知識は過去問レベルの内容ですので,最後の床面積の増減の考え方だけ間違わなければ,対応も可能です.
法規科目は時間が足りず「図問題は後回し」にする受験生は多いです.自分にとって難しい問題を後回しにするのは戦略としては王道ですが,図問題でも「その場でトライすべき問題」と「後回しにすべき問題」があるはずです.過去問の知識の範囲で構いませんので,本試験までに,各自で仕上げるレベルを想定しておきましょう.
一つ前のページへ戻る