04法規

20. 地区計画

「地区計画」には,「市町村が定められる条例による制限」があります.皆さんが実際に,建物を設計する場合には,建築基準法だけを守ればよいというわけではありません.各自治体ごとに「条例」というものが存在するためです.例えば,東京都の場合には,「東京都安全条例」という東京都版の建築基準法のようなものが存在しますし(ちなみに,法令集程度の厚さがあり,書店で購入することが出来ます),横浜市の場合には,横浜市条例というものがあります.よくある失敗談として,基準法上は適合しているが,条例に違反している設計をしてしまったという話を聞きます.基準法同様の扱いとして確認申請の際にチェックを受けます(基準法6条の「建築基準関係規定」)ので確認申請が下りません.勿論,条例の中には,基準法に掲載されていない規定も出てきます.東京都安全条例で言えば,「窓先空地」,横浜市条例でいえば,「2方向避難」などです.
 
建築基準法では「法68条の2」に,「市町村は,地区整備計画等が定められている地区計画等の区域においては,建築物の構造等の制限を条例として定めることができる.」とあります.この「地区整備計画等が定められている地区計画等の区域とは,分かりやすく言えば「街づくりのルールが具体的に決まっている地域」といったイメージです.そういう地域においては,「条例で制限をかけてもいいですよ」という意味になります.上記のように「条例として制限をかけ場合」は,基準法同様の扱いとなります.次に,その2項に,「前項の規定は,政令で定める基準に従って行うこと.」とあります.この「政令で定める基準(通称:政令基準)」という言い回しには,慣れましたでしょうか.これは,「施行令の方に定めている具体的な内容」という意味です.この政令基準は,「令136条の2の5各号」とあります.例えば,その「二号」に「建築物の容積率の最高限度は,5/10以上の数値としなさい.」とありますが,これは,市町村は地区計画上の条例制限として,「容積率の最高限度」を定めることができますが,その場合には,「5/10以上(50パーセント以上)にしてあげなさい.」という意味です.通常,容積率は,100パーセントだとか,300パーセントといったものですが,建物のボリュームをあまり大きくしたくない場合には,地区計画上の条例制限として,容積率の最大限度を決めることができます.
尚,地区計画について,ある程度体系的に把握しておきたいという場合は,東京都のサイトの解説を参照ください.【こちら】 

また,ネットで「○○市 地区計画」として検索してみてください.どんなことが定められているのか,をご自身の知っている街並みで確認することで,よりリアリティのある規定として定着します.


■学習のポイント
本試験は,決して難問ばかりで構成されているわけではありません.「ちゃんと勉強してきた人は,どうぞ得点してください」というような難易度設定で正答枝が用意されています.正答枝というのは,「誤っているのものはどれか?」という記述の問題について,解答が×となる選択肢をいいます.とりわけ法規科目は,「過去の×が,ほぼそのまま×」という出題が比較的多く含まれています.アプリで「学ぶ」の検索画面で科目・項目を絞って詳細検索へと移り,解答が×となっている問題をピックアップしてみて下さい(通称「×問検索」).試験直前には,これらの内容(特に「問われ方」に着目)を確認しておきましょう極端な話,4択のうち,その選択肢の解答が確実に×となるということを見抜ければ,それだけで1問得点できるわけです.更に,その他の選択肢について法令集を引いて調べる必要もなくなります.たとえ数問でも時間が短縮できれば,30問全体を通してみると,それは大きなアドバンテージとなります.
一問一答形式は,単に知識を深めるだけではなく,その先にある「4択から見抜く力」を養っているという点を理解し,意識して取り組んでください.
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