05構造(力学計算編)

07.たわみ

部材に外力が作用し変形した時の部材中の任意の点の変位量を「たわみ」といいます.下図において,X点におけるたわみをδx(デルタエックス)といいます.


部材に外力が作用し変形した時の変形後の部材の任意の点における接線と,部材軸とのなす角度を「回転角」または「たわみ角」といいます.下図において,X点における回転角をθx(シータエックス)といいます.

この項目において,単純梁片持ち梁両端固定梁の部材中央部分に集中荷重Pが加わる形と部材全体に等分布荷重ωが加わる形,及び片持ち梁の先端にモーメント荷重Mが加わる形を「たわみ及び回転角の基本形」と呼ぶことにします.
これらのたわみや回転角を計算で求めようとする場合には,積分計算が必要になってきます.
そこで,微分・積分計算が苦手な人は「基本形」のたわみと回転角は暗記してしまいましょう!
暗記する項目をなるべく減らしたい人は,「モールの定理」のインプットのコツ内で,計算によりたわみや回転角を求める方法を説明いたしますので,そちらを参考にしてください.


ポイント1.「たわみ」「回転角」の基本形は覚えよう!
具体的には,下図に示す12個の数値を覚えることになります.


続いて,知っていたらたわみが楽に求められる知識として「マクスウェルの定理」というのがあります.

ポイント2.マクスウェルの定理を知っておこう!
A点に荷重Pが作用する時のB点のたわみδBと,B点に荷重Pが作用する時のA点のたわみδA等しくなる」という定理です.

 


ここで,過去問題を見てみましょう.上記「基本形」の数値を暗記しておけば対応可能ですね.

なお,「モールの定理(その2)」のインプットのコツの中で,「モールの定理の元になっている考え方」という積分を用いてたわみや回転角を求める方法に関して説明してある部分があります.この部分を勉強すると,たわみδとモーメントMやせん断力Qとの関係が理解できると思います.
しかし,この部分は数学の計算が得意な人以外は,あまり深入りしてはいけない危険な世界です.微分・積分などを用いた計算を行ってもいいから暗記項目を極力減らしたい人は,「モールの定理」のインプットのコツを参照して下さい.


過去問題について追加説明させていただきます.
問題コード14061,19021,27021の問題は非常に難しいです.これらは「基本形」だけでは太刀打ちできないような問題です.
また問題コード 18031は,問題コード14061と似ているなぁということを意識できたでしょうか?
事象を具現化する」ことを求められている訳です.
具体的には,「問題の架構がどのような挙動を示すか(変形をするのか)」を考え,「自分の持っているパーツ(インプットのコツで説明している各項目の重要ポイント)で対処できないか」について考えなければならないわけです.
この部分が,「たわみ項目の問題はいくらでも難しい問題を出題することが可能だよ」という背景でもあります.
構造を苦手としている人は,まずは,問題コード14061や19021,27021の問題はパスして先に進みましょう.全体の勉強を終えてから余裕があれば,再度チャレンジしてみてください.
 
なお,問題コード14061の問題は,与えられている外力が集中荷重のみであるため,モールの定理を用いても計算することが出来ます.「モールの定理(その1)」,「モールの定理(その2)」のインプットのコツを参照して下さい.


■ 学習のポイント
 
この「たわみ」については,インプットのコツで説明してある「基本形」のたわみと回転角を求めることを,確実に行えることができるようになっておいてください.その上で,問題コード14061や19021,27021のように,「基本形」に関する知識だけでは太刀打ちできない場合は「全体挙動を考える」→「その挙動の中に,基本形が含まれていないかについて考える」というような考え方をするようにしてください.
 
再度繰り返しますが,建築士の学科試験は満点を取らなくても受かることができる試験です.たわみ項目の難しい問題にとらわれ過ぎて,他の問題が時間切れになるようなことが起きないように気をつけてください.

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