06構造(文章題編)

14.基礎構造

まず最初に地盤の許容応力度に関する説明から始めます. 

地盤の地耐力とは,極限支持力以内で,更に沈下量が上部構造に有害な影響を与えることのない限界沈下量以下となるような荷重(応力度)を指します. 
簡単に言うと,「地盤の許容応力度」と「沈下量が許容沈下量となるときの応力度」のうちの小さい方というわけです.
基準法令第93条に基づく告示(平成13年国交告第1113号第二項)より,地盤の許容応力度は,地盤調査に基づく場合平板載荷試験に基づく場合スウェーデン式サウンディング試験に基づく場合の3種類があることがわかります. 
 
地盤調査に基づく地盤の長期許容応力度は 
qa=1/3(icαCNc+iγβγ1BNγ+iqγ2DfNq)となっています. 
icやαなどに関しても説明も記載されていますが,チンプンカンプンの式ですよね. 
この式を分かりやすく言うと,(  )内の 
「icαCNc」は粘性土地盤の項, 
「iγβγ1BNγ」は砂質土地盤の項, 
「iqγ2DfNq」は根入れの項 
による支持力です. 
また,「  」内は「基礎の形状」×「支持地盤の強度」=「極限応力度」を意味しています.
 
また,地盤の短期許容応力度
qa=2/3(icαCNc+iγβγ1BNγ+iqγ2DfNq)となっています. 
 
つまり,地盤の許容応力度として,極限支持力度の1/3を長期許容応力度,2/3を短期許容応力度としています.これより,長期許容支持力度の極限支持力度に対する安全率は3であることがわかります. 
かつ,短期許容応力度は,長期許容応力度の2倍であることがわかります. 
 
また,平板載荷試験に基づく地盤の長期許容応力度は 
qa=qt+1/3N’γ2Dfとなっています.1項目(qt)は平板載荷試験による降伏荷重度の1/2または極限応力度の1/3のうちいずれか小さい方2項目(1/3N’γ2Df)は根入れの項となっています. 
 
短期許容応力度
qa=2qt+1/3N’γ2Dfとなっています. 

これらを見比べてみると,根入れの項の数値が同じため,平板載荷試験に基づいて地盤の許容応力度に関して,「根入れの効果を考慮した場合の短期許容応力度は,長期許容応力度の2倍とならない」および「根入れの効果を無視した場合の短期許容応力度は,長期許容応力度の2倍となる」ということがわかります(問題コード13192). 
 
なおこれらの根入れの項による支持力とは,根入れ深さの部分の土が支持地盤の破壊を上から押さえて防止する効果のことを指しています.
また,基準法令第93条に記載されている地盤の許容応力度の表に目を通しておいてください.


基礎を設計する際に出てくる言葉に関して,少し説明します.
使用限界状態とは,想定する荷重を日常的に作用する荷重を, 
損傷限界状態とは,1回から数回遭遇する荷重(50年に1度程度)を, 
終局限界状態とは,500年に1回程度の最大級の荷重を 
想定しています.
それぞれの限界状態に対しての検討を行います.

杭の鉛直支持力は,載荷試験によって求めることが望ましいですが,載荷試験を行わない場合は,工法に応じた支持力計算式から求めます. 
 
告示(平成13年国交告第1113号第五項)では,打込みぐい,セメントミルク工法による埋込みぐい,およびアースドリル工法等による場所打ちぐいの先端の地盤の許容応力度(qp)を以下のように示しています.
打込みぐい :qp=300/3×N
埋込みぐい :qp=200/3×N
場所打ちぐい:qp=150/3×N 
 
つまり,先端支持力は,場所打ちぐい<埋込みぐい<打込みぐいの順になっています(問題コード22232).


基礎の設計に関して,よく質問が来る問題として問題コード15185があります.基礎構造に対する構造算定をする際に基礎部分の重量を「含む」のか「含まない」のかに関することです.
これには2つのポイントがあります.一つは,基礎スラブの底面積の算定底面積の大きさを決めることです)で,もう一つは,基礎スラブの断面算定フーチングに生じる曲げモーメントやせん断力によりフーチングのコンクリート強度や高さなどの大きさを決めることです.曲げモーメントによりフーチングの配筋を決め,せん断力によりコンクリート強度を決めることが多いです)です. 
 
まず一つ目の底面積の算定の場合は,「(フーチングにつながっている)柱からくる軸力(これは上部建物の荷重のことですね)+フーチングなどの基礎自体の重量+基礎部分の上にある埋め戻しの土の重量」の合計でフーチングが地面にめり込まないように底面積を求めます.「柱からくる軸力+基礎自体の重量+埋め戻し土の重量」をフーチング底面積で割った値が地耐力より小さければフーチングがめり込むことはありません.
続いて,その二の基礎の断面算定(つまり基礎の強度などを求めることに関してですが)でのポイントは,その一でフーチングが地面の中にめり込まないような大きさを持っているので,フーチングの重量(下向き)は,接地圧(フーチングが地面から上向きに受ける力)で打ち消しあい,フーチングに応力を生じさせないっていうことです.それと,フーチング上の埋め戻し土量は軽微な場合が多いので通常は無視するということです.その結果として,フーチング重量や埋め戻し土の重量を含まない上部建物からくる柱荷重のみがフーチングに応力を発生させることになります.よって,この柱軸力によって生じる応力が持つように配筋やコンクリート強度などを決めるわけです.

また,問題コード29214の負の摩擦力に関する質問も多く来ます.負の摩擦力とは,ある地層が圧密などにより沈下する際に,杭に下向きの軸力を生じさせてしまうことを言います.杭の設計時に,その地盤沈下による軸力(下向き)を考慮していない場合には危険側になるので,注意しなければなりません.支持杭と摩擦杭で,負の摩擦力の影響は,支持杭の方が多く受けます.これは,負の摩擦力とは,杭の沈下量と地層の沈下量との相対差によって生じるわけですがら,摩擦杭のように,地層と杭とか同じような沈下をする場合には,相対差は小さくなるため,負の摩擦力の影響は小さくなると言えます.

土圧に関しては,施工の土工事・山留め工事の項目で説明します.


■出題のポイント

過去問20年分の「知識」で対応できる問題については,頑張って理解しましょう.

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