07施工

04.鉄筋工事

この項目を勉強することで,鉄筋工事に関する知識を増やすんだ!という気持ちで,一級建築士として知っておいてもらいたい事柄についてドンドン知識を増やしていきましょう.
この項目に関しては,よく質問が来る点などについて,実際の問題文の補足説明(問題文が何を意味しているのであるかとか,問題文や解説文のどの部分が重要事項であるのかなど)に関して説明してきます.

かぶりについて
ひび割れ誘発目地などを設ける場合,鉄筋のかぶり厚さは最小となる部分で測ることを覚えましょう(問題コード20085).

かぶり厚さには,捨てコンクリートの厚さは算入しないことを覚えましょう.

各部分の鉄筋のかぶり厚さを整理しておきましょう.
設計かぶり厚さは,最小かぶり厚さ+10mmと覚えましょう(問題コード17091).
鉄筋コンクリートのかぶり厚さが大きすぎると,ひび割れ防止効果が低下することを知っておきましょう.

なお,JASS5の改定により,旧来の「屋内」「屋外」という表記が「一般劣化環境(非腐食環境)」と「一般劣化環境(腐食環境)」という表記で出題されても,慌てずに言葉を次のように読み替えてください.
一般劣化環境(非腐食環境)」:(直接の水濡れなどのない)屋内
一般劣化環境(腐食環境)」:外気に接する部位や,土または水に直接接する部位などの屋外,及び台所や浴室などの水濡れなどの可能性のある屋内

鉄筋材料,保管方法について
JIS規格の異形鉄筋は「圧延マークによる表示」又は「色別塗料による表示」で確認できると覚えましょう(問題コード02032ほか).
鉄筋の保管に当たっては,汚れや錆の発生を防ぐために,地上に直接置かず,角材により地面から10cm以上離しておくようにしましょう.

加工,組立について
主筋,あばら筋,帯筋,スパイラル筋の加工寸法許容差とその測り方を覚えましょう(問題コード24083).
鉄筋の折り曲げは,冷間で加工することを覚えましょう.同時に折り曲げの形状と寸法を鉄筋の種類と径により,また適用される部分ごとに整理して覚えましょう(問題コード29084).
鉄筋の端末部にフックが必要な箇所を覚えましょう.
薄い錆は取り除く必要はなく,浮き錆・油類・ごみ・土などの付着を妨げるものは取り除くということを覚えましょう(問題コード30032).
鉄筋は,なまし鉄線を使って組み立てると覚えましょう.
柱の主筋と帯筋の組立て方法を覚えましょう(問題コード24081ほか).
JASS5の改定により,交差する鉄筋相互の結束
・帯筋の四隅,あばら筋の上端端部,基礎梁の隅部,幅止め筋:全数
あばら筋の下端端部:交点の半数以上(梁主筋径がD25未満の場合は全数)
・帯筋・あばら筋の四隅以外,スラブの下端筋:800mm以下
・壁筋,スラブの上端筋,基礎梁の四隅以外:交点の半数以上または400mm以下
に変更されています.

鉄筋相互のあきについての基準を覚えましょう(問題コード26082ほか).
バーサポート,スペーサーの材質と配置基準が部分ごとに異なるので整理して覚えましょう(問題コード30081).
JASS5の改定によりスラブのバーサポートの配置等が一部変更されています.
モルタル製のサイコロ形サポートの使用も良くなりました.

梁貫通孔の補強筋は,梁の主筋の内側に配置することを覚えましょう.
スラブの配筋は,中央から所定の間隔で割付け,端部は定められた間隔以下とすることを覚えましょう.
屋根スラブの出隅及び入隅の部分にひび割れ防止のために入れる補強筋は,屋根スラブの主筋の上端筋の下側に配置することを覚えましょう(問題コード21082).

定着,継手について
鉄筋の重ね継手の長さや定着長さは,鉄筋の種類,コンクリートの設計基準強度やフックの有無によって変わるので,整理して覚えましょう.
これは,数値が多いため,コンクリートの設計基準強度24~27N/mm2の重ね継手長さ(L1)や定着長さ(L2)を覚え,+5dや-5dという風に覚える方法をオススメします.

大梁の主筋を柱内に定着する場合,主筋は柱の3/4を超えてから縦に降ろすようにしましょう(問題コード03083).

あき重ね継手の基準を覚えましょう.
スパイラル筋の定着寸法を覚えましょう(問題コード04081ほか).

圧接について
ガス圧接における鉄筋の突合せ面の隙間は3mm以下とすることを覚えましょう.
鉄筋のガス圧接の規定と,規定外となった場合の処理方法を覚えましょう(問題コード30084).
外観検査の結果,不合格となった圧接部の処理方法をまとめてみると,以下のようになります.
1.著しい曲がりを生じた場合:再加熱して修正.
2.ふくらみの直径または長さ不足の場合:再加熱し,圧力を加えて所定のふくらみとする.
3.鉄筋中心軸の偏心量が規定値を超えた場合:圧接部を切り取って再圧接
4.圧接面のずれが規定値を超えた場合:圧接部を切り取って再圧接
5.形状が著しく不良なもの:圧接部を切り取って再圧接
6.圧接作業の途中でガス炎が消えた場合:圧接面が密着していない場合には,大気中の酸素が圧接面間に侵入し,比較的厚い酸化物の層を生成し,圧接終了後も残存するので,圧接部を切り取って再圧接
7.不合格ロッドが発生した場合は,圧接箇所を切り取って再圧接するか,添筋により補強.

手動ガス圧接技量資格種別ごとに圧接できる鉄筋の種類と径を整理して覚えましょう(問題コード23082ほか).
ガス圧接用の切断は,冷間直角切断機で切断することを覚えましょう.
ガス圧接を行う鉄筋は,縮みしろとして,圧接箇所ごとに鉄筋径程度を余計見込んで切断することを覚えましょう.
圧接の抜き取り検査片の抽出基準を覚えましょう(問題コード03084ほか).


近年の出題ポイントとして

過去問題の解説部分と「解説集」をチラ見しながら,全体を流し読みしてください.
基本的には,合格ロケットに収録されている過去問20年分の「知識」の理解で十分対応可能な項目であると思われます.

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