07施工

11.地盤調査

まずは,過去問題の解説部分と「解説集」をチラ見しながら,流し読みして下さい.
 
地盤調査土工事・山留工事地業工事の3項目は,厳密に分類することが難しく,それぞれに関連している項目が見受けられます.構造文章題の地盤,基礎の設計と絡めて覚えていきましょう.
この項目に関しても,よく質問が来る点などについて,実際の問題文の補足説明(問題文が何を意味しているのであるかとか,問題文や解説文のどの部分が重要事項であるのかなど)に関して説明してきます.
 
地盤調査とは,基礎の設計や施工に必要な資料(敷地の地層,土質,地下水位,地盤の支持力と沈下量)を調べることを指します.


地質と地盤について
 
地盤は様々な土質が長い年月を経て形成されたもので,その生成の年代によって,第三期層洪積層沖積層などと呼ばれます.
沖積層とは,約1.5万年~現在までの沖積世に堆積した新しい層を指します.硬く締まるだけの時間が経過していないので,地盤としては軟弱です.
洪積層とは,約1.5万年以前の洪積世に生成された地盤を指します.古い地層ほど地盤としては密実であり,支持地盤として期待できます.

調査間隔,調査地点及び調査深さは,事前(予備)調査から想定される地盤状態と建物の規模・種類に応じて求めます.
直接基礎と杭基礎とでは,調査深さが異なるので,それぞれ覚えましょう(問題コード01051).


地盤調査の種類について
地盤調査の種類としては,大きく分けて,ボーリング原位置試験土質試験透水試験という4種類に分けることができます.
ボーリングとは,地中に孔をあけ,土のサンプルを採取して地層の構成を調査すること,及び原位置試験を行うための孔を作る作業のことを指します.
原位置試験とは,現場で行われる調査方法のことで,標準貫入試験(静的サウンディング),サウンディング(静的サウンディング),平板載荷試験,孔内水平載荷試験,杭の鉛直載荷試験,常時微動測定,弾性波速度試験(PS険層)などが挙げられます.
土質試験(現場で採取したサンプルを用いて行われる室内試験)は,物理試験と力学試験に分類されます.

粘性土に関する試験項目
地盤構成を調査する試験方法には,粒度試験含水比試験液性限界塑性限界試験などがあります.
地盤の支持力算定のために行う土のせん断強さを調査する試験方法には,1軸圧縮試験,3軸圧縮試験,ベーン試験,ダッチコーン,平板載荷,杭の載荷試験などが挙げられます.
地盤の沈下量算出のために土の圧縮性を調査する試験方法には,圧密試験,液性限界試験,含水比試験などが挙げられます.
地下水の状況の調査には,圧密試験,透水試験,間隙水圧測定などの調査が行われます.

続いて,上記で分類分けをしたそれぞれの項目について説明してきます.
ボーリングについてボーリングには,ロータリー式,ウォッシュ式,オーガー式,パーカッション式などの種類があります.
ボーリング孔からの乱さない試料の採取位置は,平面的に分散させず,1地点に集中して深さ方向に密に(1m間隔程度)採取します.調査地点は建物中央部にすることが多いことを覚えておきましょう.
ロータリー式ボーリングとは,ボーリングロッドを機械で高速回転させて掘削し,試料を採取します.

ウォッシュ式ボーリングとは,ビットから水を噴出させ,孔の先端の上をチョッピングビットで突き崩して掘り進めます.

オーガー式ボーリングパーカッション式ボーリングは,以下の図を参照して下さい.


原位置試験について
原位置試験とは,サンプリング(試料採取)をしないで,現地で直接地盤の状態を調査する試験の総称を指します.
原位置試験のうち,標準貫入試験のみ乱した試料が得られます.
また,サウンディングは,動的サウンディングと静的サウンディングに分けられ,一般には,静的サウンディングのことをサウンディングと言います.
 
標準貫入試験(動的サウンディング)とは,ボーリング孔を利用して,原位置における土の硬軟,締まり具合の相対値を知るためのN値を求める試験で,最も広く使われている試験です(問題コード01054ほか).


N値の判定として
 
1.砂質地盤では,N値から土の締まり具合を測定することができます.粘性土地盤でも利用できますが,砂質地盤ほどよい結果は得られません.

2.N値が同じでも,地耐力は砂質土より粘性土の方が大きいです.

3.簡易粒度試験を行い,砂質土・粘性土の判別を行います.
 
N値に関する注意点として

1.径10mm以上の礫の存在により,N値が実際の地耐力より大きく出ることがあります.

2.不透水層以下の被圧水がボーリング孔より噴出して,砂層が緩み,N値が小さく出ることがあります.

3.相対密度の「密な」,「非常に密な」は,ロッドが長くなるほど,曲がりや揺れのためにN値が大きく出る傾向があります.

4.相対密度が「緩いは,ロッドが長くなると,ロッドの質量の影響が大きくなるので,N値が小さく出る傾向があります.
 
サウンディング(静的サウンディング)とは,ロッドの先端に取り付けた抵抗体を地盤中に挿入し,貫入・回転・引抜などに対する抵抗より,地盤の硬軟・締まり具合・土層の構成などの地盤の性状を調査する方法を指します.
代表的なものにスウェーデン式貫入試験,オランダ式二重管コーン貫入試験,ベーン試験などがあります.

平板載荷試験とは,下図のような装置で地耐力を算定する試験方法を指します(問題コード17053).
地盤の許容応力度は,平板載荷試験による降伏荷重の1/2の数値,又は極限応力度(極限支持力)の1/3の数値のうちいずれか小さい方の値となります.

孔内水平載荷試験(LLT)とは,地震時の杭の水平抵抗,及び基礎の即時沈下を検討する場合に必要な地盤の変形係数を求める試験です(問題コード25053ほか).水平地盤反力係数は,標準貫入試験によるN値から推定することが多いですが,N値が0(モンケン自沈)や1のような非常に柔らかい地盤の場合は,孔内水平載荷試験により求めます.よって,孔内水平載荷試験は,支持杭の支持層などの固い地盤ではなく,柔らかい地盤で行う試験であることに注意しましょう!

杭の鉛直載荷試験は,杭の鉛直支持力を決定するために,又は設計支持力の安全性を確認するために行われる試験です(問題コード13054).

常時微動とは,地盤中に伝播された人工的,又は自然現象による様々な振動のうち,特定の振動源からの直接的影響を受けていない状態での微動振動のことを言います.常時微動測定とは,これを測定して,地盤の振動特性を調べるために行われる試験です(問題コード16055).

弾性波速度検層(PS検層)とは,ボーリング孔を利用して,地盤のP波(プライマリー波,縦波)とS波(セカンダリー波,横波)の速度分布を測定し,その速度値から,地盤の硬軟の判定,及び剛性率,ヤング率などを求めるために行われる試験です(問題コード01052).


土質試験について
土質試験とは,現場で採取したサンプルを用いて行われる室内試験で,物理試験力学試験に分類されます.
物理試験とは,土粒子の密度・含水比などの基本的な特性を調べ,砂質土・粘性土などの土質判別を行うための試験です.
具体的には,土粒子の密度試験,含水比試験,粒度試験,液性・塑性限界試験,湿潤密度試験などがあります.
 
力学試験とは,土の強さ,圧縮性,動的性質,及び透水性を調べる試験をいい,通常,「乱さない試料」を対象とします.
具体的には,1軸及び3軸圧縮試験,圧密試験,1面せん断試験などがあります.
ひび割れの入った供試体は,1軸圧縮試験ではなく,3軸圧縮試験を行います(問題コード19053).


■学習のポイント

地盤項目については,構造,施工の両科目で,関連事項が多く出題されていますので,施工項目に限定せず,他の科目の出題と合わせて覚えることをお薦めします.
この項目も,基本的には,合格ロケットに収録されている過去問20年分の「知識」の理解で十分対応可能な項目であると思われます.
頑張って理解しましょう.

一つ前のページへ戻る