22.耐震改修工事
改修工事には,防水改修工事,外壁改修工事,建具改修工事,内装改修工事,塗装改修工事,耐震改修工事,環境配慮(グリーン)改修工事などがあります.
このページでは,これら改修工事のうち,耐震改修工事について記載しますが,この項目は,実際の改修工事などに立ち会ったことのない人にとっては,イメージがわきにくい項目です.
耐震改修工事とは,構造耐力に問題がある建築物において,構造骨組またはその構成部材の補強もしくは取替えを行い,耐震性を向上される工事をさします.
現場打ち鉄筋コンクリート耐力壁の増設工事,鉄骨ブレースの設置工事のように構造体の耐力を向上される方法の他に,柱補強工事や耐震スリット新設工事のように靭性能を向上させる方法があります.
平成13年国告第1024号により,今までは,あと施工アンカーは鉄筋コンクリート増設壁や鉄骨ブレースの設置工事のような耐震改修工事における既存の鉄筋コンクリート造部材と補強する部材にのみ使用できましたが,令和4年4月以降からは,告示改正により,新築工事における構造耐力上主要な部分にも使用することができるようになりました.
あと施工アンカーの許容応力度等については不明である,実際の運用としては,新築物件の柱や梁などの主要構造部に,あと施工アンカーが用いられる場合はありませんが,これらの許容応力度等が決まれば使用することができるようになりました.
■近年の出題ポイントとして
普段から改修工事に関する実務に触れていない限り,手も足も出ないような難易度の問題の出題が最近は増えてきました.
この耐震改修工事という項目は,新問題対策が極めて難しい項目でもあるため,新問題をあまり意識せずに,過去問20年分の「知識」で対応できる問題を理解することに集中して下さい.
また,非常に問い合わせが多い問題として,問題コード18253について補足説明させていただきます.
通常,せん断力が働く部分に金属系アンカーを用いると,ガタが生じるため,接着系アンカーを用いる場合が多いのが現状です.
しかし,耐震改修設計指針によると,シアコネクタ用のダボ筋として用いるあと施工アンカーとして金属系アンカーを使用しても良いことが読み取れますので,問題コード18253は完全な×とは言えない,非常にグレーな選択肢であることがわかります.
問題コード18251は,明らかに誤っていることがわかりますので,H18年の施工科目25問目の解答としては,「1が最も誤っている選択肢」であることが判断できます.
問題コード19255のアスベスト飛散防止処理についても,解説集に図入り解説がありますので,大枠をイメージできるようになって起きましょう.