一級建築士学科試験に超特化型、過去20年分の知識を最短時間でマスターできる学習管理アプリ合格ロケットで、講師をしている有本です。
環境設備や構造力学のように「ここまでは理解出来るんだけど、ここから先が分からない」という科目がある一方で、
「分かっているようで得点に繋がらない」
「よく分からないけど得点出来た」
というように、一級建築試験の科目の中で「自分の理解度が、最も把握しにくい科目」が法規科目です。
そして「試験中、時間が足りなくなる」というのも法規科目の特徴と言えます。
これらは、法規科目が唯一「試験に法令集を持ち込める」という点が大きく影響していると考えられます。
今回は、法規科目を勉強する前に、必ず知っておいてほしい法規科目特有の捉え方、学習方法について掘り下げていきたいと思います。
また学科Ⅲ (法規科目)を苦手としている人と得意にしている人の決定的な違いがどこにあるのか、について解説していきます。
法規科目の特徴「持ち込み法令集」の扱い方について
法規科目は、数値の暗記よりも、用語の定義や法令の意味合いについて問われる事が多いのですが、
基本的には他の科目同様「出題者が聞いている事に対し、適切に返答する」という点では変わりありません。
ところが、「法令集を持ち込める」という科目特有のルールによって対処が一変します。
本試験中に「この問題は○だろうな」と思いつつ法令集を引いてしまう「無駄引き」は誰にでもあります。
ただし、あまりに無駄引きが多くなると、法規科目特有の「時間切れ」に繋がるリスクが高まります。
これは持ち込み法令集の功罪の1つで「法令集から答えを探し出す」という事が習慣になっている受験生が実に多いのです。
インデックスや線引きをどこまで重要視するかは本人によりますが、1つ言える事は、「作り込む作業」にエネルギーをかけ過ぎる必要は無いという事です。
カラフルで山ほどインデックスを備えた法令集を見かける事がありますが、
大枠の「法令の構成」が頭に入っていれば、そんな加工はしなくても法令の関連性がバッチリ見えてくるようになります。
むしろ、多すぎるインデックスは、頭の中で「法令の構成」が育ちにくい状況となり、
益々、法令集に依存する事になってしまいますので、インデックスの量は適宜・適切を意識してください。
勉強のコツは「土地勘」を育てること
土地勘(とちかん)の無い街を地図を見ながら、標識を探しながら歩くのと
「喫茶店はココと少し先にもう1軒ある」
「この角を曲がると近道だな」等、
頭の中に街のマップイメージのある人の歩き方は、全く異なります。
法規科目を得意科目にするのは、この土地勘を習得することに似ています。
法令集のインデックスを頼りに
「問題文と条文を照らし合わせて確認する」という解き方と、
主要条文の構成や並びを理解して、法令の構成を俯瞰しながら問題文を読む人の「解き方」は、
全く別モノとなります。
法令集は文章がフラットに記されていますが、遠くにある条文が実は近しい関係だったり、文節が複雑で難解な言い回しがあったり、全くフラットではなく起伏に富み、多くの分岐が含まれています。
法と令の関連性や条文の並びを勉強中に意識する事で,その構成がイメージとして浮かぶようになってきます。
そうなってくると,自ずと数値や関連知識を芋づる式に引き出せるようになってきます。
そして「答えが法令集にどこかに書いてあるはず」と考えるのではなく、
他の科目と同様に「出題者が聞いている事に答える」という考えが優先されるようになります。
法規科目を得意とする受験生は、意識的か無意識かはさておき、条文の捉え方を習得しています。
これを目指していきましょう。
タイプ別の学習の進め方
大きく2つのタイプに分けてアドバイスします。
■ じっくり派
1つ1つ着実に理解しないと次のステップへ進めないという方は、一見、良い事のように思えますが、学習が遅々として進まず、継続しにくいという場合があります。
1度に全ての知識を理解するのではなく、何度も繰り返す毎に、徐々に理解が深まり、繋がっていくイメージを大事にしてください。
・法令集に貼るインデックスは、最初に全部貼ってしまってから学習する事をお勧めします
・難問が重要問題とは限りません。難解条文の理解や、重箱の隅を突いたような細かい問題は、一旦飛ばして、後から理解する事にしてドンドン進めていきましょう。
■ せっかち派
あまり細かい事は気にせず、サクサクと次の問題・項目へ進められる方は、広大な範囲を網羅する必要がある試験においては有利と言えます。
一方で、「読み飛ばし」や「勘違い」で失点が増えがちなので、要所では時間を掛けて理解を深める事が大事です。
・法令集に貼るインデックスは、問題・解説を理解しながら、貼り進める事をお勧めします
・自分自身の理解度をキチンと分類・管理する事を意識しましょう。その問題が「○か×か」でドンドン解くのではなく「出題者がどの条文について、どんな事を聞いているのか」常に、意識してください。
法令のイメージトレーニング
法規科目は暗記科目です。数値や文章の暗記ではなく「構成の暗記」です。
勉強中は、問題・解説を読んだり、市販の解説書やテキストなどで調べた時に
「原文でどう書いてあるのか」
「その前後に、どんな事が書かれているのか(位置づけ)」を確認する事を習慣にしましょう。
最初は、引いて引いて引きまくる事。
そのうちに問題文を読んだだけで、条文の位置づけや関連が見え出題の意図から「引かなくて良い条文」が増えてきます。
勉強中、よく引いた法令集は、結果として試験中に引かなくて良い法令集になります。
土地勘を育てるには、ただ歩いているよりも、周囲を意識しながら道を覚える事を意識するのが効果的です。根気よく継続していきましょう。
また、条文の事例や解説は、市販されている書籍やテキストに山ほどありますが、
「条文の構成」に言及しているものは、ほとんどありません。
書籍「法規のウラ指導」(学芸出版社)は、試験に必要不可欠な条文への線引き、オリジナルインデックス(無料配布)の貼り分けなどが工夫されており、
「条文の捉え方」や「受験生の上手な解き方」が学べる教材となっているのでオススメです.
一度手に取って見て見てください.
こういった書籍も参考にしながら、法令のイメージトレーニング=構成の暗記を進めてください。
まとめ
ここまで、法規科目の勉強方法についてご説明しました。
持ち込めるからこそ、法令集で答えを探しがちなりますが、
まずは、
・条文の構成を理解すること
・法令の構成を俯瞰すること
この二つをしっかり意識して、勉強に取り組んでください。
記事内にあるタイプ別の勉強の進め方も参考にし、勉強の段階では、たくさん法令集をひきまくってください!
合格ロケットアプリの「理解度」は、問題を解く度に自動的に更新されたものを各自で変更する事も出来ますので、全体をコントロールしながら学習を進める習慣が身に付きます。
またオンライン講義「法規」では,講義の復習用に各項目の「法令のイメージトレーニング」を公開しています。
数値を起点に「構成」を覚えるトレーニングですが,
①.「出題者が聞いている事がわかる」
②.「読み間違いや考え違いを防止」
③.「自ずと法令集を引く回数が減る」
といった試験対策としての効果を狙っています.
オンライン講義の様子
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